老人ホームや介護施設では、転倒や事故の予防としてどのような対策がとられている?

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老人ホームや介護施設では、転倒や事故の予防としてどのような対策がとられている?

Q. 母が介護施設を利用しています。職員の方から1週間で2回転倒したと報告があり、このまま預けて大丈夫なのか心配になっています。介護施設では、転倒や事故の予防として、どのような対策が取られているのでしょうか。

A. 道具や介護方法の検討、職員間での情報の共有等、万が一に備えた対策は事業所ごとに行なっているはずです。お母様の状況について心配でしたら、一度施設の方に相談してみることをおすすめします。

施設に入所している間、転倒などによる事故はとても心配なものです。場合によっては骨折などの大きなケガになってしまうので、施設としても事故には十分に注意しているはずです。基本的に、介護施設ではご本人の持っている能力を最大限に活かすことを考えます。歩ける人には歩いてもらい、自分でトイレに行ける人には自分で行ってもらいます。また、認知症などがある場合でも、基本的には身体拘束は行わないことになっています。そのため、どうしても転倒などの事故のリスクは発生してしまいます。

その対策として施設では、安全にご自分で動いてもらうために、リハビリ専門職や看護師などが中心となり、使う道具や介護方法を検討します。そして、安全な方法で統一して介護できるように職員間で情報を共有します。事故や事故になりそうなことが起こったときには報告書を作成して、その都度再発防止策を検討します。また、重大な事故が発生した場合には、速やかに各自治体に報告することになっています。

職員向けの勉強会を行ったり、施設内に事故防止策を検討する組織が設置されていることも多いです。しかし、これらの対策をしていても事故が起こってしまうのも事実です。入所中に転倒事故を繰り返しているのであれば、何か問題があるのかもしれません。歩いている時に転んだのであれば、杖や歩行器が合っていないのかもしれませんし、ベッドから落ちてしまったのであれば、ベッドを低くしたり、人の動きを感知するセンサーを使ってみるといった対応が可能かもしれません。

まずは、施設の方にどうして事故が起きてしまたのか説明してもらって、どういった対応を希望するか伝えるようにしてください。それでも改善されない場合には苦情の申し立ても可能です。転倒の原因は個別性が高いですし、多少転倒の危険があってもご自分で歩いてほしいと感じる人も、可能な限り安全でいてほしいと思う人もいます。一度、施設の方とよく相談するようにしてみてください。

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