同日に複数の訪問介護や訪問看護サービスを利用できる?

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同日に複数の訪問介護や訪問看護サービスを利用できる?

Q. 父の介護をしています。介護保険の申請を考えているのですが、外出するのが嫌いな父なので、訪問介護や訪問リハビリ、訪問看護などのサービスを利用して父の生活を支えてもらいたいと思っています。同じ日に訪問介護や訪問リハビリを利用することはできるのでしょうか。

A. 自宅に訪問してもらうサービスを、同一日の同一時間帯に複数利用することはできません。

自宅にきてくれる訪問系の介護保険サービス、たとえば訪問介護と訪問看護、訪問リハビリと訪問入浴などの利用を、同じ日の同じ時間に利用することは、介護保険の制度上ではできません。ただし、自立支援の介護をするのにどうしても必要だと認められる場合は、同じ日の同じ時間に利用することが認められています。

たとえば、退院したばかりで玄関の出入りが不安定、転倒の危険性があるので出かける時に訪問介護を頼んだとします。ところが、玄関の出入りの介助を行うのが非常に大変で危険といったような場合、この時に訪問リハビリも同時に行い、一緒に玄関の出入りの確認をすることが必要だと考えられるのです。その目的は、玄関を出入りする時の本人の動作の確認と、訪問介護に介助の仕方をアドバイスをすることになります。そしてその後は、別の日や別の時間帯のリハビリの中で、玄関の出入りの練習をしていけば目的は達成できます。なので、この場合の同じ日の同じ時間帯に、訪問介護と訪問リハビリを行うのは1回~数回です。

しかし気を付けていただきたいのは、訪問介護と訪問入浴はどんな状況であっても、同じ日の同じ時間帯に利用することはできません。その理由は、訪問入浴は看護師1名と介護士2名で自宅へ訪問し、入浴と看護、介護を行うため、その他に訪問介護が来て、計4名で身の回りの介護を行う必要がないと考えられるからです。以上のように、通常は別の日や別の時間帯に、自宅へ訪問してくれる介護保険サービスを利用します。

その他にも、健康な方は、訪問入浴で身体が温まって身体が柔らかいうちに、すぐにリハビリをした方が良いと考えがちです。しかし入浴は、さっぱりして血行も良くなるなど良い面も多い反面、身体への負担も大きいので、通常すぐにリハビリをすることはありません。早くても30分~1時間位は時間を空けて、様子をみてから行うというのが通常のサービス提供方法となり、同じ日の同じ時間帯に訪問入浴と訪問リハビリがサービスを行うことはあまり考えられないです。

自宅に訪問するサービスを複数利用すると、気をつかうことが多かったり、急な用事ができた時に困るから、まとめて利用してしまいたいと思うこともあるかもしれませんが、利用する頻度や日時は、本人の自立支援のことを第一に考えて、各サービス事業所の専門職と相談しながら決めましょう。

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