介護度は高い方が良いのでしょうか?

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介護度は高い方が良いのでしょうか?

Q. 母の介護保険更新申請を行いました。今までは要介護2の認定だったのですが、今回は要介護3の認定が下りました。介護度は高いほうかがよいのでしょうか。

A. 介護保険の利用限度額や、施設入所のことを考えると介護度は高い方が良いですが、サービス利用料のことを考えると、介護度は低い方が良いです。

介護保険は介護度により、サービスが利用できる範囲(利用限度額)が決められています。この利用限度額は、介護度が高いほど高単位(金額ではなく単位で表されている)で、介護保険内でたくさんのサービスを利用できるということです。しかし一方で、サービスを利用した時の単価(1回の回数)が高くなります。なので、要介護2のときに、利用限度額を超えてしまうから利用したかったサービスを我慢していた、もしくは自費負担で利用していたという場合は、介護度が高くなったということは良い結果ですが、逆にそんなにサービスを利用していなかったという場合は、単価が上がるだけなのであまり良い結果ではありません。

また、特別養護老人ホーム(特養)の施設入所のことを考えている場合は良い結果です。現在、特別養護老人ホーム(特養)の入所基準は要介護3から(特例を除く)ですので、この先1~2年以内に入所を考えている場合は、特別養護老人ホームへの入所申込みが可能になります。
※因みに「この先1~2年」といいう意味合いは、介護保険の更新があり介護度が変わる可能性があるので、そのように表記しました。

その他にも、要介護3以上になると、紙おむつの支給や訪問してくれる理美容サービスなど、各自治体独自のサービスが設けられていることが多いです。もし、新しく出た介護度に不服がある場合は、介護度の見直しの「区分変更」という申請ができますので、市区町村窓口か担当のケアマネージャーに相談してください。「区分変更」の申請をしても、また同じ介護度になる場合もありますが、再度認定調査をおこない審査会で審議してもらえます。

この時に、前回の認定調査の時に出来ないことを出来ると言ってしまった項目や、いい忘れていた事などがある場合は、ただしく審議してもらえるように、正確な現在の状態や状況を認定調査員に伝えてください。言い忘れた事があった場合は、後から電話で伝えることもできますので、できるだけ正確な情報を伝える事が大切です。

要介護度の認定結果は、経済面とその方の利用できるサービスの頻度や種類などにも大きく関わってきますので、その方の介護の方向性にも影響があります。過剰介護や放任にならない、その方が自分らしく生活していける、自立支援に必要な介護保険サービスが利用できるように、納得のいく結果をもらってください。

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