介護施設が空室なのに入所の順番がこない理由は?

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介護施設が空室なのに入所の順番がこない理由は?

Q. 新しくできた施設に入所申し込みをしているのですが、なかなか順番が回って来ません。同じ施設に叔父が入所しているので、先日様子を見てきました。見る限り空室が目立ったのですが、どうして順番が回って来ないのでしょうか。

A. 多くの場合、施設側の都合によるものだと思われます。

どの施設にも共通していえるのですが、新規オープンした施設などは職員(看護・介護職)の採用が遅れていて定員数に満たないため、一部の部屋を止めたまま運営していることがよくあります。この定員数は介護保険制度で決まりがあり、例えば特別養護老人ホーム(特養)の多床室(4人部屋)の施設の場合は、利用者2.2人につき職員1人の配置が義務付けられています。この場合、100名が入所できる規模の施設の場合、最低でも46人の職員が必要です。

そして介護職3人に対して看護職1人が必要と、職員の職種についても規定があります。昨今の介護職離れから、なかなか職員が集まらないのが現状ですので、この場合はもう少し声がかかるまで待つより他はないと思われます。
※施設の種類や部屋の造りによって職員の必要数に違いあり。

他に考えられる理由としては、施設の方針と利用者が当てはまらないということでしょうか。あまりないことですが、例えば介護老人保健施設(老健)はリハビリをして自宅へ帰ることを目的としている施設です。そして老健には従来型・在宅復帰加算型・在宅復帰強化型があり、その中でも「在宅復帰強化型」を推進している施設の場合は、自宅に帰ることが目的の方を入所の対象者としています。

この「在宅復帰強化型」を維持するためには、ベッド回転率や在宅復帰率を維持していかなくてはならないので、はじめから在宅へ帰る見込みのない方などは断られる場合があります。ただ、この自宅とは本人の家はもちろんですが、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、認知症対応型共同生活介護も含まれますので、入所の相談の時にすでに申込みをしているとか、検討しているというような話をすれば対象者になるはずです。

いずれにしても、施設側が何の理由もなく部屋を空けたままにしておくことはないと思いますので、施設の都合が悪いか目的の違う施設に申込みをしていると考えるのがベストです。お急ぎであれば、施設の申し込みは1ヵ所ではなく数カ所することをおすすめします。

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