Q. 父は認知症です。夕方になると自宅に帰りたいと言い出したり、物を取られたと怒りだしたりすることがあり、家族で診ていくことがいっぱいいっぱいのため入所の申し込みすることを決めました。父が趣味で弾いていたギターを持っていけばもしかしたら落ち着いて過ごせるのではと思ったのですが、施設にギターを持って行って弾いたりすることは可能でしょうか。
A. 難しいことがほとんどだと思われますが、音楽療法を取り入れている施設もあります。
ギターの持ち込みについては、施設により異なりますが、難しいところがほとんどでしょう。ギターは結構な音が出ますので、集団生活となる施設では、他の入居者への影響を考え、楽器類を持ち込み不可にしている施設が多いです。持ち込み可能な場合でも、決められた時間帯・場所で使用するように施設側から提示されることが予想されます。
お父様の認知症状によって、時間帯や場所等の把握がしっかりできるのかというところが問題となるでしょう。日中に短時間で使用する分には、他の入居者にも影響はないと思いますが、認知症の方の中には音に敏感に反応して、混乱される方もおられます。楽器を使用する際は、場所の確保や入居者の移動等、施設側でも検討すべき事項が増えますので、好きな時間に好きなだけギターを弾くことは難しいでしょう。
このように、楽器の持ち込みはハードルがかなり高いのですが、施設によっては、定期的に音楽療法や演奏会などをレクリエーションとして取り入れているところがあります。その際に、一緒にギターを弾くことを施設側に相談することは可能かと思います。音楽療法は、脳を活性化させるためのリハビリテーション法であるため、認知症予防や認知症の方のために、取り入れている施設は多くあります。音楽療法やレクリエーションを強化している施設へ相談することをおすすめします。