数ある介護サービスのなかでも、「デイケア」という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか？身近に介護を受けている方がいれば、「おばあちゃんは今デイケアに行ってるのよ」とたいった話を聞くことがあるかもしれません。また、ご近所でも施設の名前が書かれた送迎車が家までお迎えに来ているのを見かけることがあるかと思います。
それでは、デイケアとはいったい何をしているところなのでしょう？よく聞くデイサービスとは何が違うのでしょう？何となく聞いたことはあっても、わからないことも多いですよね。そこで今回は、意外と知られていないデイケアの中身について紹介していきたいと思います。
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通所リハビリテーション（デイケア）って何をしているところなの？
デイケアの正式名称は、「通所リハビリテーション」と言います。「通所」とは、自宅から通って利用するところという意味です。つまり、家から通って日帰りでリハビリをするところが通所リハビリテーション=デイケアです。デイケアの中で行うことは様々です。一般的に、入浴、食事、レクリエーションなどが行われています。通う時間も事業所によって様々です。お食事なしで半日だけのところもあれば、朝から夕方までのところもあります。たいていの場合は送迎を行っていて、決まった時間に自宅まで迎えに来てくれて、終わったら自宅まで送り届けてくれます。
専門職によるリハビリが受けられる
そして、デイケア最大の特徴はなんといっても「リハビリ」です。デイケアには必ず医師と、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリの専門職がいます。デイケアに通うと、リハビリの専門職から運動についての指導や、日常生活でのアドバイスが受けられます。たとえば脳梗塞で手足に麻痺が出てしまい今までのように料理ができなくなってしまった、という相談をすれば、手足を動かすための運動の指導、使いやすい包丁やまな板の選定、台所の環境設定などを行ってくれます。
より自分らしい生活を送るために
リハビリというとマッサージや筋力トレーニングを想像する方もいるかもしれませんが、それだけではなく、自宅での生活動作ひとつひとつに注目して行うのがデイケアでのリハビリです。よりその人らしく自立した生活を送るため、専門家のアドバイスを受けることができるのがデイケアを利用する大きなメリットです。
デイケアとデイサービスとの違いは？
デイケアと同じように「デイサービス」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。デイサービスの正式名称は「通所介護」です。つまり、自宅から通って日帰りの介護が受けられるのがデイサービスです。デイサービスでもデイケアと同じように、入浴や食事といったサービスが受けられます。また、筋力トレーニングや歩行練習といった「機能訓練」も行われています。それではデイケアとデイサービスは何が違うのでしょうか。
リハビリの専門職の有無
大きな違いは、リハビリの専門職がいるかどうかというところです。デイケアは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリの専門職を配置することが義務づけられていますので、必ずリハビリ専門職がいます。一方でデイサービスには、リハビリの専門職がいるとは限りません。看護師や柔道整復師といった資格を持った職員が機能訓練を行っていることもあります。
ですから、リハビリをしたい方、専門職から日常生活でのアドバイスを受けたい方はデイサービスよりもデイケアを選んだ方が良いと言えます。しかし最近では「リハビリ型デイサービス」といって機能訓練に力を入れているデイサービスも増えていますので、サービスを選ぶときには施設ごとの特徴をよく調べておくと選択肢が広がるでしょう。
最終的な目的の違い
デイケアはリハビリをして自立した生活を目指し、デイサービスは日常生活上のお世話をして利用する人だけでなく、家族の負担を軽減することを目指します。デイケアとデイサービスは似ているところもありますが、目指しているものが違っています。どちらが良いというわけではありませんので、それぞれの特徴を理解して目的に合ったサービスを選ぶことが大切です。
通所リハビリテーション（デイケア）に通うにはどうする？
デイケアに通いたい(通わせたい)と思ったら、まずは目的をよく考えてみましょう。リハビリをして日常生活を充実させたい、上手くできないことがあるのでリハビリの専門職に相談したいというのであれば、デイケアを利用することをおすすめします。しかし、どこかに通ってもらって介護時間を減らしたい、人とおしゃべりをして楽しく過ごしてもらいたいという希望であれば、他のサービスの利用を考えてみても良いでしょう。
まずは担当のケアマネジャーに相談を
それでもやっぱりデイケアに通いたい(通わせたい)と思ったら、まずは担当のケアマネージャさんに相談しましょう。近隣のいくつかのデイケアを紹介してくれるはずです。デイケアを紹介してもらったら、実際に見学に行くことをおすすめします。デイケアと一口に言っても事業所によって内容は様々ですし、利用している方や職員の雰囲気などその方に合った施設を選ぶことが大切だからです。
たとえばリハビリの内容も、ジムにあるような筋トレマシーンを使ってたくさん運動をしているところもあれば、料理や洗濯いった生活動作の練習に重点を置いているところもあります。デイケアを選ぶときには、できるだけ具体的に希望を伝えることが大切です。
楽しく過ごせることを前提に
リハビリをしてできるようにしたいことがあれば、あらかじめ伝えておくようにして、対応してくれるところを選ぶようにしましょう。また、言語聴覚士がいる施設であれば言葉のリハビリや食事の相談もできますので、ケアマネージャさんに相談して探してもらうようにしましょう。リハビリのために通うといっても、楽しく過ごすことができないと続かないものです。食事にこだわっていたり買い物などに連れていってくれるところもありますので、ぜひ足を運んで「ここに通いたい！」と思える施設を選んでください。
まとめ
デイケアは自宅から通ってリハビリができる場所で、その人らしく自立した生活を目指すことを目的にしています。デイケアには医師とリハビリの専門職がいて、運動や生活についての相談やアドバイスを受けられることが大きな特徴です。リハビリをする理由は人それぞれです。
「得意だった料理をもう一度家族に振る舞いたい」「もう少し楽にトイレに行けるようにしたい」「これ以上膝が痛くならないように自宅でできる運動を知りたい」など、何か困っていること、できるようにしたいことがあればデイケアの利用を考えてみましょう。ぜひ、その人に合ったサービスを選ぶときの選択肢のひとつにしてみてください。
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