日立が見守りサービスの「ドシテル」を開始〜上手に活用するにはインフォーマルな関係作りも必要

更新日:
日立が見守りサービスの「ドシテル」を開始〜上手に活用するにはインフォーマルな関係作りも必要

日立、見守りサービスを開始 親の状況をスマホでリアルタイム確認!

「今、どうしてるかな…」。離れて暮らす家族らのそうした不安の解消を図る。

日立グローバルライフソリューションズは今日から、1人暮らしの高齢者などをセンサーで見守る新サービス「ドシテル」の展開を開始する。

親などの居室をスマートフォンからリアルタイムで確認できる仕組み。本人のプライバシーに配慮し、アバターの動きやグラフなどで様子を把握できる設計となっている。

2021年度までに3万件以上の契約締結を目指すという。高齢者をセンサーで見守るサービスは多くの企業がスケールを図っており、施設だけでなく在宅にも広がっていくとみられている。

(※引用元より一部抜粋)

https://report.joint-kaigo.com/article-11/pg629.html

単身高齢者の安否確認ができるサービス

2019年6月17日より、日立グローバルライフソリューションズが高齢者の見守りセンサー「ドシテル」を展開していくと発表した。子供たちなどと離れて暮らす、一人暮らし高齢者の安否確認が目的である。(*1)

(*1)単身高齢者向け見守りサービス「ドシテル」を6月17日より開始
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2019/05/0522.pdf

「ドシテル」は部屋の中に専用センサーを設置し、1分に1度の頻度で在室状況や活動状態を検知してサーバーに情報を蓄積。家族はアプリを通じて様子を確認することができるとのこと。また、「ドシテル」が蓄積データから異変を感じた際は、家族へ通知をする機能も付いているという。

「ドシテル」のようなサービスが一般的に使われるようになれば、早い段階で普段と違う様子に気付くことが出来、離れて暮らす家族にとっては安心のサービスだが、本人はどうだろうか。

立ち上がることができず、一晩その場で過ごしてしまうケースも…

以前、一人暮らしの高齢者A氏の自宅へ送迎に行ったときに、本人が自宅内で倒れている場面に遭遇したことがある。定刻にA氏の自宅に到着し、インターホンを鳴らしたが応答がなく、電話をかけても出る気配がない。これまでA氏はサービスを無断で休むことがなかったため、何度もインターホンを鳴らし、玄関ドアの新聞受けの開閉口から声を掛けたところ返答があった。

どうしたか尋ねると、自宅内で転倒し一人で起き上がれず、倒れたそのままの状態でいるとのことであった。送迎車には、他の利用者がすでに乗車していたため、施設へ電話を掛けて応援を求め、別の職員が対応にあたったのだが、救出までの流れはこうだ。

まず、自宅に鍵がかかっているため職員は中に入ることができない。市内に住むA氏の家族へ連絡をする。家族は仕事へ出かけた後であり、駆けつけるまでに約1時間かかるとのこと。

A氏の家は賃貸であったため、娘から管理人に連絡を取ってもらい、管理人に鍵を持ってきてもらうように伝えてほしいと依頼をする。比較的早く近所に住む管理人が鍵を持ってきてくれたため、A氏の自宅内に入ることができ、救出することができた。

A氏が転倒したのは前日の夜だったとのこと。自宅内には緊急通報承知が設置してあるのだが、この時、活用はされなかった。その理由は、倒れた場所と違う部屋に緊急装置が設置してあったため、手が届かなかったからだ。

A氏は軽度の片麻痺がある。そのため転倒しないように普段は家の中でも短下肢装具を使用して過ごしているのだが、この日はトイレで目が覚め、たまたま装具を付けずに移動している時に転倒した。倒れた場所に掴まれる物などがなく、起き上がることができなかったと言う。そのため緊急通報装置のある部屋に行けず、誰にも知らせることができなかったのだ。

もし「ドシテル」を設置していたら、部屋から離れた数時間後に家族へ通知され、朝を待たずに助けが来たと考える。本人にとっては苦痛の時間を軽減でき、見守られているという安心感がある。

ただし、遠方の家族の場合は、本人の自宅近くに住む知人や友人、ご近所さんなど、いち早く駆けつけてくれる相手を見つけてお願いしていおかなければならない。異変に気づいて直ぐに対応するためには、優れた機器の使用と併せて、人との繋がりを築くことも必要だ。

Designed by Freepik