パナソニック発表のケアマネ向けモバイルアプリ「ケアモ連絡帳」を使ってみた

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パナソニック発表のケアマネ向けモバイルアプリ「ケアモ連絡帳」を使ってみた

パナソニック、ケアマネ向けモバイルアプリ発表 業務効率化を後押し

パナソニックは25日、ケアマネジャー向けの2種類のモバイルアプリを発表した。「ケアモ連絡帳」と「ケアモ予定表」。日々の業務の効率化を図るツールで、両方とも無料。

Android版とiOS版が用意された。「ケアモ連絡帳」は25日から提供がスタート(*)。「ケアモ予定表」は来月から配信が始まる。
* Android版は昨年末から先行配信されていた。

「ケアモ連絡帳」は情報共有の負担を軽減するアプリ。連絡先をグループ化することで、利用者ごとに異なる関係者を分かりやすく整理しておける。グループ内ではテキストメッセージの一斉送信が可能。SMSやメール、LINEなどをそれぞれ選択でき、相手が「ケアモ連絡帳」をインストールしている必要はない。アプリ内から通話もできる。

「ケアモ予定表」はケアマネの手帳をヒントに開発されたスケジュール管理アプリ。予定の重複の防止や行動管理に役立てられる設計にしたという。「訪問」「デイサービス予約」など、あらかじめ設定されたタブと日時を選ぶだけで利用者ごとにスケジュールを登録できる。担当するすべての利用者の予定を、日ごとに一覧でチェックすることも可能だ。訪問時に気付いたことのメモや写真を残し、次回の日程などを書き込んでおく機能もある。

https://kaigonews.joint-kaigo.com/article-10/pg328.html

スマホアプリでケアマネ業務の効率化

介護業界で施設などのエイジフリーブランドを展開しているパナソニックが、ケアマネ業務を効率化するアプリを開発した。(*1)

(*1)ケアマネジャーの業務を効率化 無料モバイルアプリ「ケアモ連絡帳」「ケアモ予定表」を配信
https://news.panasonic.com/jp/topics/164345.html

ケアマネ事業所も運営しているパナソニックエイジフリーは、自社のコンセプトでもあるイノベーションを活かし、現場の声を聞きながらアプリ開発に至ったようだ。

事業主がこうした技術開発を行う企業の場合いち早く最新技術が取り入れられるメリットがあり、羨ましい限りである。

今回開発されたアプリは「ケアモ連絡帳」と「ケアモ予定表」だ。
早速どんなアプリなのか「ケアモ連絡帳」を使用してみた。

個人所有のスマホの場合、連絡先の管理に不安

「ケアモ連絡帳」は利用者一人ごとに関わりのある支援者を複数登録でき、相手がアプリをインストールしていなくてもショートメールやメールで必要な情報を送信することができる。
パナソニックの紹介ページに一斉送信とあるが、実際は一人ひとり送信するかどうか個別に対応できるようになっているので、情報内容により必要のない相手に無駄な情報が送信されることがないので安心である。

また、アプリをインストールすると予めアドレス帳に登録されている内容がそのままアプリのアドレス帳に反映されるため手間が省けて簡潔であるが、事前に携帯のアドレス帳に登録してない相手は新規登録が必要だ。

その際相手の携帯番号かメールアドレスを聞く必要があるのだが、個人携帯の電話番号を教えてくれるとは考えにくい。

そうなると病院や事業所などで持たされている携帯電話の番号やメールアドレスを登録することになるが、今度はその携帯電話やPCが病院や事業所でどのように活用されているかが問題となってくる。

仕事専用スマホの普及が先か

複数の職員が共有している携帯やPCの場合、利用者の担当職員がケアマネから送られてきた情報を見るまでに「時間が掛かる」または「見なかった」ということが起きるのではないか心配だ。
また、個人情報も含まれているためまったく関係のない者が目にした場合個人情報の漏えいとなり、介護保険法第69条の37「秘密保持義務」(*2)に違反しケアマネは罰則を受けなければならない。

(*2)介護保険法
http://www.japaneselawtranslation.go.jp/law/detail_main%3Fre%3D%26vm%3D1%26id%3D94

そのため登録する連絡先は、確実に利用者に関わっている担当職員が数日以内に必ず見る、他の者が絶対に見ないことのできる連絡先でなければならない。

大抵の施設では事務所にあるPCメールは事務員が管理し該当メールを担当部署に知らせ、PHSなどの携帯電話は1人1台ではなく出勤した者が交代で持つようになっている。
見逃しや個人情報の保護の観点から考えると、病院や施設で1人1台のスマホを所有することが望ましい。

以上のことからこのアプリが有効活用されるようになるまでには、もうしばらく時間が掛かりそうである。

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