「認定介護福福祉士」55人が養成研修を修了!活躍の場が増えることに期待

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「認定介護福福祉士」55人が養成研修を修了!活躍の場が増えることに期待

介護福祉士の未来を自ら切り開く! 55人の「認定介護福祉士」が誕生

熟練した介護福祉士が次に目指すステップとして創設された認定介護福祉士 − 。その誕生記念イベントが3日に都内で開かれた。今年度までに55人が養成研修を修了。初めてその肩書きを手に入れた。この制度を推進する日本介護福祉士会は、広く社会に認知してもらえるよう普及に努めていくとしている。

□「評価が確立されていない」

認定介護福祉士とはいったい何か? その育成に取り組む「認証・認定機構」によると、介護福祉士よりも高い能力を身に付けたその道のスペシャリストだという。地域との建設的な関係を構築・維持し、医師や看護師をはじめとする他職種とも対等に渡り合いながら、介護現場のチームを牽引していく中心人物 − 。そうした優秀なリーダーを輩出するための仕組みだと説明している。

この制度が作られた目的は、多様化・複雑化しているニーズに対応できる質の高いサービスを提供していくこと、だけではない。高い教養、幅広い視野を持ち“仕事ができる”ロールモデルを育て、介護福祉士の社会的な評価を高めていくという狙いもある。どうすれば介護職に対するイメージがもっと良くなるのか? この問いに対する職能団体の1つの答えが認定介護福祉士、というわけだ。

日本介護福祉士会の石本淳也会長は3日のイベントで、「介護福祉士に対する評価がしっかり確立されているかというと、現状ではそうとは言えない。本当のプロフェッショナルとして活躍している人がまだ必ずしも多くない」と指摘。「更なる高みを目指して学び、専門性を高めて成長していくことが大事だ。介護福祉士の未来は介護福祉士が自ら切り開く。我々で研鑽を積んでいく道筋を作り上げたい」と述べた。

□ 「いつか介護福祉士の1割に」

認定介護福祉士の養成研修を受けるには、介護福祉士として5年以上働いた実務経験が必要。その間、一定の現任研修を修了していることなども要件だ。

養成研修の内容は多岐にわたる。法令理解、組織運営、リーダーシップ、チームマネジメント、医療領域、リハビリ領域、福祉用具、住環境、認知症、心理・社会的支援、生活支援、地域での実践…。トータルで600時間に及び、概ね30万円から40万円の受講費がかかる。

本当に普及していけるのか? それが最大の課題となる。今はまだスタートしたばかりで、養成研修も限られた地域でしか受けることができない。介護福祉士会は当面、全国的な研修体制の整備に力を入れていく方針だ。行政の手厚いサポートがあればそのスピードが早まる可能性もある。

あとはどれだけ多くの介護福祉士が「認定介護福祉士になりたい」と思うかだ。この日のイベントでは養成研修を終えた認定介護福祉士が、「既存の介護福祉士のボーダーを超えてより高いレベルに到達できた」「視野が広がって突破力がついた」「根拠を示すことにこだわりを持つようになった」「同じ志を持つ介護福祉士に出会えた」などと魅力を語った。

日本介護福祉士会の目標は、「いずれ介護福祉士の1割が認定介護福祉士となるようにしたい」。各方面の理解を得ながら取り組みを広げ、着実に社会への浸透を図っていく構えをみせている。

https://kaigonews.joint-kaigo.com/article-10/pg379.html

認定介護福祉士の概要と認定基準は?

2019年3月3日にイイノカンファレンスセンターにて認定介護福祉士誕生記念イベントが開催された。

認定介護福祉士とは、介護福祉士の質の向上を図り日本の介護サービスの高度化に対する社会的な要請に応えることで、国民の福祉の増進に寄与することを目的とした新しい認定資格である。
今回第1号となる55名が研修を終え、一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構が認める認定介護福祉士が誕生した。(*1)

(*1)一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構
http://www.nintei-kaishi.or.jp/home/

認定介護福祉士の認定資格を得るには、介護士としての実務経験が5年以上あり、100時間以上の現任研修の受講履歴を有していることと、研修実施団体の課すレポート課題又は受講試験において一定水準の成績を修めていることが必要だとしている。(*2)

(*2)認定介護福祉士 研修認証基準
http://www.nintei-kaishi.or.jp/files/training/kenshuninshokijun.pdf

対象者は受講申請を行い通過者は600時間の認定介護福祉士養成研修を受講し終えて、栄えて認定介護福祉士になれる。

認定介護福祉士としての活躍の場はあるのか?

この600時間の養成研修はケアマネの89時間の養成研修を遥かに超える量であり、かなりハードルが高い。
研修内容の領域も・医療・リハビリテーション・福祉用具と住環境・認知症・心理・社会的支援・生活支援介護過程など多岐に渡る。
認定までのハードルが高い分、専門性が際立ち一目置かれる認定資格になりそうだ。

しかし大変な思いをして取得したせっかくの認定資格、認定介護福祉士にしかできない活躍の場がほしいところである。
現在のところ突出した特別な活躍の場はなく、介護職リーダーに対する教育指導や介護サービスマネジメント、地域包括ケアの推進などが役割として期待されているだけだ。

特別な活躍の場があれば、キャリアアップのために認定介護福祉士になりたいと目指す者も増えると思われるが如何か。
また、来年10月から予定されている介護職員等特定処遇改善加算の対象である10年以上のベテラン介護士と認定介護福祉士の微妙な関係が始まりそうだ。

認定介護福祉士の認知度ややりがいを高めるために

認定介護福祉士には10年未満の介護福祉士が存在する。
知識と技術は備えていても資格取得から10年に満たないため、介護職員等特定処遇改善加算の対象外とあっては何だかやりきれない思いだ。

介護職員等特定処遇改善加算が来年度以降も続くのであれば、知識と技術をベテラン介護士のように備えている認定介護福祉士の認定資格を取得している者も算定要件に含めていただきたい。

算定要件に含まれるようになれば介護職員等特定処遇改善加算の波に乗り、認定介護福祉士の認知度も高まるのではないかと考える。
いずれにしても今後の認定介護福祉士の活躍が楽しみだ。

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