年金だけで老人ホームや介護施設へ入居できる?

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年金だけで老人ホームや介護施設へ入居できる?

自分に介護が必要になった時には、家族の世話にはなりたくない、介護施設に入居して家族に迷惑をかけずに過ごしたい、と思っている方は多いのではないでしょうか。また、家族に介護が必要になった時、自宅での介護が難しければ「どこか施設に入って…」と考えることもあるでしょう。

しかしながら、老人ホームの入居金は高いと聞きますし、年金だけでまかなうことができるのかどうか、収入が限られている高齢世帯ではとても重要な問題です。当記事では、年金受給額の推移や老人ホームの費用の相場を確認しながら、年金で老人ホームに入居できるかどうか考えていきたいと思います。

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年金はどのくらいもらえる?

平成28年度の平均年金受給額(月額)は、国民年金で55,373円、厚生年金で145,638円です(「平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況|平成29年12月厚生労働省年金局」より)。また、厚生労働省が発表している標準的なモデル夫婦の受給額は、夫婦二人分の老齢基礎年金を含めて221,277円としています。年金の額には個人差がありますので、年金振込通知書などで自分が受給できる年金の額を把握しておくことが大切です。

老人ホームでかかる費用はどんなもの?

○入居一時金

老人ホームに入居するときには、入居時にかかる費用と、毎月払わなければならない費用があります。入居するときに必要な費用が「入居一時金」です。これは、自分の部屋、施設、サービスを終身利用する権利に対して支払うものです。有料老人ホームに入るのに高額な費用が必要だと言われるのは、入居一時金が1億円ほどかかる高級施設も存在するからです。

しかし、高額な入居金が必要な施設ばかりではなく、最近では入居金がかからないプランを設けている施設も増えています。また、入居金には一定の償却期間が設けられており、退去した時には施設ごとに決められた計算式に則って入居金が返還されます。

○月額利用料

老人ホームで毎月かかる費用は、家賃、管理費、食費、介護サービス費、その他(医療費やおむつ代等)が挙げられます。費用の名目やかかる費用は、施設の種類や立地によって変わります。たとえば、家賃は施設がある地域の地価によってかなり異なります。地域にこだわりがないのであれば、安い地域で施設を探すのもひとつの方法と言えます。

老人ホームの費用の相場は?

○有料老人ホーム

有料老人ホームというと、入居の時に多額の一時金を支払わなければならないイメージがあります。しかし先述のとおり、最近では入居一時金がかからない施設も増えているので、そのイメージも変わりつつあります。その代わりに月額の利用料が高く設定されていることもあるので、事前によく確認する必要があります。

介護付有料老人ホームの初期費用の全国平均値は約920万円、月額費用の全国平均値は約26万円というデータがあります。施設の地域や建設にかかったコストによって費用は大きく異なるのが現状ですが、年金の中でのやりくりは厳しい金額であることが多いようです。

○特別養護老人ホーム

比較的安価に利用できる施設として、特養老人ホームがあります。入居一時金のように入居時にまとまった金額を支払う必要がなく、月額利用料も6~17万程度です。特養老人ホームに入居するには要介護3~5であることが条件となります。また、安価であるため希望者が多く、多くの入居待ちが発生している場合が多いです。

実際には、介護する家族がいない、経済的にも他の入所施設の利用が難しいといった方から入所していきますので、入所を希望しても長期間待つことになってしまうこともあります。特養老人ホームの申し込みをしておいて、入所の順番が回ってくるまでは他の施設に入所して待つという場合もあります。

○介護老人保健施設

老健施設も入所時に費用がかからない施設で、要介護の認定を受けていることが入所の条件になります。月額の利用料は介護度や部屋のタイプによって異なりますが、7万~20万程度が目安です。この施設は基本的にはリハビリをして在宅復帰を目指すものですので、長期間の入所が難しい場合があります。また、医療ケアやリハビリの加算など、追加でかかる料金が重なって当初の予定よりも費用が高くなることがありますので、どのようなサービスにいくらかかるのかよく確認しておくと安心です。

○グループホーム

グルームホームは認知症の方を対象とした入居施設です。入居時の費用は全国平均で15万円程度と安価であることが多いですが、月額費用が10~30万円程度かかる場合があり、全体としては安価とは言いにくいです。

○ケアハウス

ケアハウスは、環境や経済的な状況により家族との同居が難しい方が、自治体の助成を受けることで比較的低い費用で利用できる施設です。初期費用は30万円程度、月額利用料は7万~20万程度です。年収に応じた月額負担となるため、収入が少ない方は月額利用料が安くなりますので、年金から費用を捻出しようとする場合には適した施設とも言えます。

しかし、比較的安価に入居できることから当然ながら人気の施設でもあるうえに、ケアハウス自体の数も少ないのが現状です。空きがなければ待たなければならないことも多く、すぐに入居できるとは限りません。ケアハウスの利用を考える場合には早めに準備をして見学等をすすめておくと良いでしょう。

年金だけで老人ホームに入居できないときは?

これまでみてきたように老人ホームにかかる費用は様々ですが、比較的安価な施設でも年金だけでやりくりするには高額な場合が多いです。

○負担軽減制度を使う

介護費用の負担が難しい方のために、様々な負担軽減制度が設けられています。「高額介護サービス費」は世帯における介護負担額が一定以上の上限を超えた場合に、超過分が介護保険から支給される制度です。また「特定入居者介護サービス費」は、月額費用の中の食費と居住費が所得に応じて決められた限度額以下に減免される制度です。どちらの制度も条件があり、市区町村への申請が必要ですので、各自治体へ問合わせて確認してみてください。

○在宅サービスを利用する

経済的に施設への入所が難しい場合には、在宅介護を用いる方法もあります。自宅にいながら介護施設に通う「通所サービス」や、短期間の入所をする「ショートステイ」を組み合わせれば、自宅で介護をする時間は短くなり家族の介護負担は少なくなります。また、施設に入居するよりもかなり安価な費用負担で済みます。自宅で生活しながら利用できるサービスは数多くありますので、入所ではなく在宅生活のプランを検討し直すもの一つの方法だと言えます。

まとめ

自分や家族に介護が必要になったとき、老人ホームは心強い存在です。老人ホームにかかる費用は施設によって差がありますし、年金額も個人差が大きいので一概には言えませんが、完全に年金だけで費用をまかなうのは難しいことが多いかもしれません。

しかし、ケアハウスや特養老人ホームといった比較的安価に入居施設もありますので、早い段階で情報収集をして申し込みの準備などをしておくと、年金でやりくりできる可能性があります。

また、費用が軽減される制度も利用できることがありますので、市区町村へ問合わせて確認しておくようにしましょう。それでも難しい場合には、施設入所ではなく在宅で生活する道もあります。

自宅にいても様々なサービスを組み合わせて使うことで介護の負担を少なくしている方はたくさんいますので、ケアマネージャさんなど専門家にぜひ一度相談していろいろな方法を検討してみてください。

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