ほんの少し前まで、高齢者が利用できる施設の種類は特別養護老人ホームや介護老人保健施設などがよく知られていました。その他の種類の施設もあったのですが、注目を集めるようになったのは近年になってからです。
特に、ここ10年間の間でサービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームなどの施設も増えてきましたね。しかし、種類が増えれば増えるほど、その施設の特徴は分かりづらくなるのも事実。実際、現場介護職でもこれらの施設の違いをきちんと説明できる人って、なかなかいないんです。ここでは、サービス付き高齢者住宅がどんな施設で、どんな人に向いているのか、全く知らない人にも分かりやすい内容でご紹介します。
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サービス付き高齢者住宅ってどんな施設？
サービス付き高齢者向け住宅は、とてもシンプルに言うと、高齢者が住みやすい場所とサービスを提供する賃貸住宅のことです。長い名前のため、略して呼ばれることも多く、サ高住（さこうじゅう）やサ付きとも言われています。
どんな人が入居できる？
原則、60歳以上の高齢者なら入所可能です。また、60歳未満でも、要支援・要介護認定を受けた人なら利用することが可能です。厳密に言えば、病状や毎日必要となる治療、医学的な処置の内容などによって、入所できない場合もありますが、施設によって異なります。
老人ホームのように、常時介護を受けられる体制にはないため、比較的元気なお年寄りが入居する施設と捉えてよいですが、最近では介護が必要な人の入居も増えてきています。これは、施設の受け入れ体制に大きな差が出ている部分なので、直接見聞きして確かめるしかありません。
入居して受けられるサービスは？
サービス付き高齢者住宅では、1日に1回の安否確認が行われます。一人暮らしの高齢者の場合、ふだん元気に過ごしていても、いつ何が起こるかわからないといった不安を感じている場合も少なくありません。
それは離れて暮らす家族も同じで、常時介護は必要なくても、誰か身近にいてくれるというだけで精神的な不安が和らぎます。こうした不安を持つ人々の居場所として、サービス付き高齢者住宅が利用されているんです。安否確認の他に、生活相談サービスの提供も義務付けられています。
何か生活上の不安や困りごとなどは、施設の職員さんに相談できるため安心です。その他のサービスは施設により異なりますが、食事の提供や買い物の付き添いなども行われることが多いです。
夜勤の職員さんはいるの？
サービス付き高齢者住宅では、夜勤配置がありますが、住宅内に宿直する形と、待機しておいて緊急コールにより出向く形の両方が認められています。しかし、近年はサービス高齢者住宅に入居する高齢者が介護が必要な状態で入居することも多くなってきているため、実際には1～2名の夜勤者が施設にいる、という状態も多いです。
介護が必要になったらどうすれば良いの？
元気な状態で入居したとしても、病気やケガなどによって介護が必要になることだってありますよね。そんな時には、自宅にいる時と同じように介護サービスを受けながら生活することができます。
例えば、食事の準備や掃除などの家事が難しくなったら訪問介護、病気の処置が必要なら訪問看護、リハビリが必要なら訪問リハビリやデイケア、デイサービスなどのように、介護保険制度を利用して介護サービスの利用が可能です。
サービス付き高齢者住宅には、同じ建物、あるいは敷地内、近隣に介護サービスを提供する事業所が併設されるケースが多いのも特徴です。常時介護が必要になるなどの状態で、サービス付き高齢者住宅での生活が難しくなった場合には、より適切な施設への転居も視野に入れる必要があります。
もちろん、転居先の施設について相談をすることができますが、あらかじめその点については確認しておくことをおすすめします。
さいごに
サービス付き高齢者住宅は、近年施設数が増えてきています。その特徴は様々で、時代の流れによりサービス内容などが変わってくる可能性もありますが、高齢者の生活を支える重要な社会資源です。
田舎に住む高齢者が入居することで買い物や受診への不便さが解消できたり、趣味活動に参加しやすくなるなど、入居者は様々な目的を持って利用しています。実際に足を運ぶことで、これまでの高齢者施設のイメージとは違う部分も感じられるでしょう。
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