Googleマップ、視覚障害者に向けた詳細な音声案内機能をリリース〜さらなる機能の充実に期待!

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Googleマップ、視覚障害者に向けた詳細な音声案内機能をリリース〜さらなる機能の充実に期待!

音声案内をより詳細に! Googleマップ、視覚障害者向けの新機能を搭載

グーグルは11日、従来よりも詳細に音声案内を行う視覚障害者向けの新機能を「Googleマップ」アプリに始めて搭載したと発表した。

目が見えない人や視力の弱い人が、知らない場所、馴染みのない場所へ行く際の助けになるとしている。

AndroidとiOS、ともに11日から利用可能となった。Googleマップの設定から「ナビ」を選択し、表示されるリストの「徒歩のオプション」内にある「詳細な音声ガイダンス」を有効にすれば使える。

ナビゲーションの音声は、日本語と英語から選択可能。今後は対応言語を増やしていくという。

Googleマップの音声案内はこれまで、スマホの画面を見ながら移動することができる健常者のみをサポートしていた。今回の新機能では、方角や距離、進んでいる道の名前なども利用者に知らせる。視覚障害者にはなかなか分かりづらい周囲の状況を伝える音声も流す。

例えば大きな交差点の横断歩道を渡るとき。「道幅が大きな道路です。注意して通行して下さい」などと促してくれる。ルートを間違えた際には正しい道を教えてくれる。

開発プロジェクトに参加した視覚障害者の杉山若菜氏はGoogle Japan Blogで、「電車やバスで聞くアナウンスのようなもの」と説明。「移動に神経を集中させる必要がなくなり、目的地ですることに思いを巡らせることもできる。この機能を開発した意図は、自分と似た状況の人たちの可能性を拡げることにある」としている。

https://www.joint-kaigo.com/1/article-13/pg1130.html

Googleマップが視覚障害者向けの新機能をリリース

2019年10月11日の「世界視力デー (World Sight Day)」にちなみ、Googleが視覚障害者向けの新機能が付いたマップを公開した。(*1)

(*1)Google Japan Blog: 視覚に障害を持つ方のために開発、Google マップの詳しい音声案内
https://japan.googleblog.com/2019/10/google.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed:+GoogleJapanBlog+(Google+Japan+Blog)&m=1

現在提供されているGoogleマップより詳細に音声案内が流れ、視覚障害者の移動支援を行ってくれるツールだ。開発に携わった全盲の杉山氏は、紹介ビデオのなかで片手にスマホ、反対の手に視覚障害者用の杖を持ち目的地へ向かっている。

両手がふさがりやや不便そうにも見えるが、周囲の音が遮断されてしまうイヤホンは使えないと思われるため仕方がない。それでもGoogleマップの音声案内を聞きながら、軽快に街を歩いている。

紹介ビデオでは、通りの名称や方角が合っているかなどを定期的に案内しているが、さらに道路の段差や障害物、タイムリーな混雑状況なども案内されるようになると使い勝手が良くなると考える。また詳細な道案内の音声は、車を運転しているときなど画面を見られない状況の健常者の移動にも適していると紹介されている。

視覚障害者が安心して外出できる世の中に向け、今後の展開にも期待

全盲の視覚障害者を支援したなかで共通して感じたのが、やはり移動時の恐怖心が強いことである。

皆、40~60代ころに全盲になった中途視覚障害者で、付き添い歩行をしていても、恐怖心から小股でゆっくり歩く。安心してもらえるように、移動のときは常に詳細の案内を心掛けた。

なかには視覚障害者用の杖を持ちたくないという者もいた。使い慣れていないため邪魔になると話していたのだが、介助者の肘を掴んで歩行する通常のガイドヘルプにも不安を感じていたため、介助者の服の裾を後ろから掴んで歩くというスタイルでの介助であった。

2、3センチの段差やドアまでの位置、方向を変えるタイミングなどまで案内してくれる音声サービスがあれば、高齢者に多い中途視覚障害者の不安をぬぐえるかもしれない。

また、自宅内で転倒したり、布団から起き上がるときに身体の向きが変わってしまったりして、自分がどこにいるのか分からなくなってしまうというケースもある。健常者からは想像できないことであるが、自宅内で迷子になってしまうのだ。その後、家族が帰ってくる間、約5時間その場所から動けなかったと話していた。そのため自宅内でも音声案内をしてくれる機能がつくといいと感じる。

Google Japan Blogのなかで杉山氏が、外出をあきらめることもあると話しているが、高齢者の中途視覚障害者も同様である。皆、普段は病院と通所サービスへ行く以外、まったく外出をしないと話していた。

今後さまざまな機能が備わり、高齢の中途視覚障害者も安心して外出できる世の中になることに期待したい。

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