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高齢者の転倒事故が増加〜予防には自立者も専門職のアドバイスが受けられる環境作りが必要

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高齢者の転倒事故が増加〜予防には自立者も専門職のアドバイスが受けられる環境作りが必要

高齢者の事故、転倒が8割超 救急搬送も年々増加 消防が注意を喚起

増え続ける高齢者の日常生活における事故について、東京消防庁が改めて注意を喚起している。とりわけ転ぶ事故が多く、引き続き周囲の気配り、サポートが欠かせない。

東京消防庁管内では、2014年から2018年までの5年間におよそ36.5万人の高齢者が生活中の事故によって救急搬送されている。

圧倒的に多いのが転倒だ。実に全体の81.7%を占めている。その数は年々増加し、2018年には5万8368人が救急搬送された。

このうち約4割は、搬送後に入院する必要がある中等症以上と診断されている。中等症以上の割合は、年齢が高くなるにつれて上昇するという。

転倒事故の発生場所は自宅などの住まいが最多。全体の56.2%を占めており、「道路・交通施設(34.5%)」より多い。特に居室・寝室が目立つが、玄関・勝手口や廊下、トイレなどで起きるケースも少なくない。

東京消防庁はこのほか、階段などから落ちる事故、食事や服薬の際に喉に詰まる事故、風呂で溺れる事故、ぶつかる事故により、2018年までの5年間に管内で5万1517人が救急搬送されたと報告している。

そのうえで、「本人だけでなく家族や地域で事故について考えることが重要」と強調。「加齢に伴う身体機能の変化や事故の傾向について知り、事前の防止対策を」と改めて呼びかけている。転倒事故の注意点としては、

○ 立ち上がる時は近くのものにしっかりとつかまる
○ 着替える時には無理して片足立ちせずに腰かける

などを例示し、周囲にも適切な配慮を促している

https://www.joint-kaigo.com/1/article-13/pg1137.html

高齢者の事故増加、約8割が転倒

東京消防庁が、平成26年から平成30年までに管内で起きた65歳以上の救急搬送件数を公表した。高齢者の事故(交通事故を除く)は年々増加しており、本人だけでなく周囲の者も気をつけてあげるように注意喚起を行っている。(*1)

(*1)救急搬送データから見る高齢者の事故 東京消防庁
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/topics/201509/kkhansoudeta.html

救急搬送の要因は、転倒事故が81.7%と最多であり、転倒した場所は住宅等居住場所が最も多い。利用者のアセスメントで自宅へ訪問した際に、リハビリの専門職員がよく言うのが「危険な物がたくさんある」だ。

例えば玄関マットやインテリアとして床面に置いてある調度品、配達された品物のダンボールやその他生活用品などである。これらはつまずく原因となるほか、玄関マットに関しては滑る原因にもなると言う。

また「掴まる物がない」ことも、転倒に繋がるとのことだ。要介護状態であっても、手すりが設置されていない家庭もあるのだが、理由は間取りのほか、玄関や廊下が狭くなる(車イスを使うようになったときに通れなくなる)、床や壁に手すりを設置できる強度がないなどだ。

そのほかリハビリの専門職員は、「玄関に椅子を置いてほしい」ともよく利用者や家族に伝えている。靴を脱ぎ履きするときは、座って行うのが安全であるからだ。

そして2階の部屋は極力使わないようにしてほしい、畳やフローリングも滑るリスクがあるため滑り止め付きの靴下を履くように、というようなアドバイスをケースにより行っている。

家の中ではお風呂場が一番危険?

救急搬送データによると、住宅等居住場所のなかでも転倒が多い場所として、居室・寝室・玄関・勝手口・廊下・縁側があがっているが、お風呂場が一番危険だとリハビリの専門職員たちは話すことが多い。

データにあがらなかった理由は、通所サービスなどで入浴を済ませる高齢者が多いからだと思われる。また、危険性が高いと本人や周囲も分かっているため、安全対策が万全に行われているからだと推測する。

自宅で入浴をする利用者宅へ訪問して、お風呂場に福祉用具がひとつもない家は少ない。シャワーチェアーや滑り止めマット、手すりや移乗台など、何かしらは備えている。

住環境を整える際には専門職による正しいアドバイスを

サービス開始前や身体機能の低下がみられる際、住宅改修を行う場合など、家族やケアマネより安全に過ごせるように自宅内を見てほしいと依頼がくる。それは手すりひとつにしても、本人に合った物でなければ機能しないからだ。

例えば横型と縦型の手すりでは、身体を引いて立つか手すりに体重をかけて立つかで使いやすさが違う。廊下の右側と左側のどちらに設置するのかも、麻痺の状態などにより変わってくる。取り付ける高さや手すりの太さなど、本人の身体の状態に合わせて最適なものにしなければ、設置しても使わず仕舞いになってしまう。

また、今は取り外しが可能な物や持ち手の部分が掴みやすくなっている物など、種類が豊富である。そのなかからどれを選べばいいのか、住環境や今後のリスクなども考えて相談にのってもらうことは大切だと考える。

障害や要介護等の認定をうけていない者でも、転倒予防のために専門職のアドバイスを受けられることが望ましい。各自治体で運営している地域包括支援センターに相談してみるのも、ひとつの方法である。

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