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ケアマネ事業所の管理者要件厳格化に再考を求める声〜主任ケアマネを増やすにはどうすべき?

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ケアマネ事業所の管理者要件厳格化に再考を求める声〜主任ケアマネを増やすにはどうすべき?

ケアマネ事業所の管理者要件の厳格化、医師会からも再考を促す声

今後の制度改正に向けた協議を重ねている社会保障審議会・介護保険部会の9日の会合 − 。主任ケアマネジャーしか管理者を担えないようにする居宅介護支援の運営基準の厳格化について、関係の有力団体から懸念の声が相次いであがった。

主任ケアマネ研修を未だ受けていない管理者がいることを念頭に、特養の経営者らでつくる全国老人福祉施設協議会の桝田和平経営委員会委員長は、「このまま管理者要件を変えれば混乱が起きる可能性がある」と指摘。厚生労働省に対し、「再検討をして頂きたい」と要請した。

また、日本医師会の江澤和彦常任理事も同様に問題を提起。「既に期限が定められているが、これは検討課題だと思っている」と再考を促した。

居宅の管理者要件の厳格化は、2018年度の介護報酬改定をめぐる議論のプロセスで決められた。研修を受けた人材に任せることで、ケアマネジメントの質の向上につなげていく狙いがある。厚労省は3年間の猶予期間を設定。2021年度から完全実施することとしている。

見直しを求める声は以前から出ていた。

厚労省が居宅を対象として昨年10月に行った調査の結果では、管理者が主任ケアマネの資格を持っていない事業所の割合は43.7%だと報告されている。主任ケアマネではない管理者のキャリアを尋ねたところ、17.2%が「3年未満」と回答。この中には、残りの猶予期間だけではどうしても主任ケアマネを確保できないところもあるとみられる。

日本介護支援専門員協会は既に、3年間の猶予期間を6年間に延ばすべきだと主張している。今回の部会では、医師会や老施協もこうした考えに同調する構えをみせた形だ。

厚労省は現在、全国の居宅を対象とした実態調査を新たに進めている。担当者は「まだ回答を集めている段階」と話す。今後はこの結果もみつつ判断していく方針だ。

https://www.joint-kaigo.com/1/article-13/pg1126.html

ケアマネ事業所の管理要件厳格化、見直しを求める声

10月9日に行われた介護保険部会のなかで、居宅介護支援事業所の管理者要件について各委員から見直しを求める声があがったとのこと。2021年に、事業所の管理者は「主任介護支援専門員に限る」と厳格化される予定。主任介護支援専門員(主任ケアマネ)になるには個別要件として概ね5年の実務経験が必要であり、これに間に合わない事業所がある。

そのため利用者や家族だけでなく、閉鎖に追い込まれる事業所が担当していた利用者を引き継ぐ事業所やサービス事業所などでも混乱が起きると予測される。現在の主任ケアマネになるための研修を受けることができる対象者は以下の通り。

介護支援専門員の業務に関し十分な知識と経験を有する介護支援専門員とする。

(中略)

以下の①から④のいずれかに該当し、かつ「介護支援専門員専門研修実施要綱」に基づく専門研修課程Ⅰ及び専門研修課程Ⅱ又は「介護支援専門員更新研修実施要綱」の3の(3)に基づく実務経験者に対する介護支援専門員更 新研修を修了した者とする。

①専任の介護支援専門員として従事した期間が通算して5年(60ヶ月)以上である者(ただし、管理 者との兼務は期間として算定できるものとする。)
②「ケアマネジメントリーダー活動等支援事業の実施及び推進について」(平成14年4月24日老発第 0424003号厚生労働省老健局長通知)に基づくケアマネジメントリーダー養成研修を修了した者 又は日本ケアマネジメント学会等が認定する認定ケアマネジャーであって、専任の介護支援専門員として従事した期間が通算して3年(36ヶ月)以上である者(ただし、管理者との兼務は期間として算 定できるものとする。)
③施行規則第140条の66第1号イ(3)に規定する主任介護支援専門員に準ずる者として、現に地域包括支援センターに配置されている者
④その他、介護支援専門員の業務に関し十分な知識と経験を有する者であり、都道府県が適当と認める者

※引用:主任介護支援専門員研修ガイドライン 平成28年11月(P12)

主任介護支援専門員研修は、地域づくりを実践できる、資質の高い専門性を持つケアマネの養成を目的に設定された研修である。今後の人生100年時代を支えていく人材であり、地域のことのみならず困難事例への対応やケアマネたちのサポートなども担っていく。

自身も主任介護支援専門員が担当する利用者の支援をしてきたが、非常に頼りになる存在である。困難ケースを数件受け持っていたのだが、冷静沈着で温厚であり、利用者と事業所の中立の立場を保ちながら、利用者のニーズに応えるために労を費やしていた。

キーパーソンが日中不在のため、夜間の訪問しかできない寝たきりの利用者宅への担当をかってでたり、要望の強い利用者宅への訪問を頻回に行ったりしていた。また地域ケア会議の事例検討会では、「利用者からの夜間の急変対応に困る」という意見に対して、リスク管理が足りないからだと、一同が頷く答えを導き出していた。

個別要件へのテコ入れが必要か?

こうした主任ケアマネが管理者要件になることには納得であるが、主任ケアマネ全てが同様ではない。先ほど記した「利用者からの夜間の急変対応に困る」と言ったのも主任ケアマネである。

必要な経験年数を経て研修を受ければ、一様に質が高くなる訳ではなく、ケアマネ個人の資質も関係していると考える。そのため個別要件①を緩和し、多くのケアマネが受講可能な環境を整えるべきである。

また主任ケアマネにも更新があり、主任介護支援専門員研修修了証明書の有効期間が満了するまえに、更新研修を受けなくてはならない。

受講はおおむね2年の期間が設けられているため、うっかり忘れたということもないだろうが、万が一のことを考えると事業所に2名の主任ケアマネがいると安心である。それにしても研修が多い。利用者の支援や地域づくりに費やす時間が削られていく思いだ。

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