Q. 妻が骨折し、歩くのが大変そうなので杖を使ってもらおうと思っています。一緒に暮らしている父が介護保険の認定を持っているのですが、父の保険で家族のために福祉用具をレンタルもしくは購入することはできるのでしょうか。
A. 残念ですが、ご本人以外が介護保険サービスを利用することはできません。奥様が介護保険サービスを利用するには、ご自身で要介護認定を受ける必要があります。
家族の介護保険被保険者証を使用して、介護保険サービスを利用することは、残念ながらできません。介護保険サービスを利用するためには、要介護認定を申請し、要支援や要介護の判定を受けることが必要ですが、世帯単位での申請は認められておらず、必ず、利用を希望している本人の申請が必要となります。
本人が申請できない状態であれば、家族が代行して申請手続きを行うことは可能ですが、その際も家族の氏名ではなく、本人の氏名で申請することとなっています。そして、申請する際には、本人が持っている介護保険被保険者証を一旦提出し、本人が申請希望していることを証明します。
介護認定が終われば、認定結果が記載された新しい介護保険被保険者証が新たに発行されますので、それを用いて、介護サービスを利用します。当然ですが、申請した本人の氏名で新しい介護保険証が発行されますので、医療保険証等と同様に、家族はもちろん、他の人間がそれを使用することはできません。
よって、他の家族が介護保険サービスを利用希望するのであれば、その本人の氏名で新規の介護保険認定を申請し、要支援か要介護の判定を受ける必要があります。尚、他の家族の保険証を用いて、福祉用具をレンタルしていることが判明すると、本人の認定自体が取り消される場合があります。必ず、利用する本人が認定を申請するようにしましょう。