介護保険の認定結果が出ていないが介護保険サービスは利用はできる?

更新日:
介護保険の認定結果が出ていないが介護保険サービスは利用はできる?

Q. 父が入院しているのですが、どうしても帰りたいと言ってききません。これまで娘の私と同居していたのですが、日中は仕事をしているので家に父一人になってしまいます。さらに古い家なので浴槽が高く、自宅で入浴することに不安もあります。そこでデイサービスを利用したいのですが、介護保険の申請をしたばかりで認定は下りていない状態でも、介護保険のサービスは利用できるのでしょうか。

A. 認定結果が出るまえに、介護保険サービスを利用することは可能です。

介護保険の有効期間は、介護保険の申請日~3~12か月後の日になりますので、介護保険サービスを利用することは可能ですが、ご注意いただきたいのが自立になった場合です。自立とは、認定結果で介護度が付かない介護も支援も必要のない方、という意味です。この場合、介護保険サービスを利用していた期間の費用は、全額自己負担(10割)となりますので、そのことを了承したうえであれば、介護保険サービスを利用することができます。また、自立になった場合は、その時点でサービスの利用も終了となりますので、こちらも併せてご承知おきください。

しかし、このようなご質問をいただく場合、介護保険のサービスを利用するような状況になっている方が多いと思われますので、認定結果には何かしら介護度がつくとします。このとき気を付けていただきたいのは、認定結果が要支援1.2なのか、要介護1~5になるのかです。利用するサービス事業所の事業方針で、要支援者の受け入れをおこなっていないサービス事業所もあるため、もし認定結果が要支援1.2だった場合は、サービスの利用が終了になってしまいます。

その後、要支援者へのサービス提供をおこなっているサービス事業所をあらためて探せばよいことですが、高齢者の場合、新しい環境に馴染むまでに時間を要します。せっかく馴染んできたところで、別のところへ行きましょうとか、別のサービスにしましょうというのも酷な話になってしまいますので、要支援か要介護1のどちらが出るか微妙な場合は、要支援者の受け入れをしているサービス事業所を、はじめから利用するのがおすすめです。その結果、要支援1.2が出た場合は、そのまま利用を継続すれば良いですし、要介護1~5が出た場合は、追加でサービスを利用していくというような形になります。

要支援か要介護か微妙な状態だという方が気になるのは、要介護認定は何を基準に判定されるのか?だと思いますが、これは介護の量などで決まります。介護の量とは、介護の手間がどの程度かかるのか、状態は安定しているのかなどをポイントして、実際に介護にかかる時間を割り出して計算していくのです。その介護の量が多いほど介護度が高く、介護の量が少ないほど介護度は低くなっていますので、ガンの告知を受けたけど(余命宣告なし状態安定)、自分のことは自分でできている場合や、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)で杖を使わないと歩けないが、自分の身の回りのことや家事全般を自分で行っているというような場合は、介護認定で介護度が付くかどうかは微妙です。

あくまでも、その人らしい生活ができていないので誰かが手助けしてることを、介護保険のサービスで補っていきましょうというのが、介護保険制度になります。要介護認定の結果がでるまでサービスを利用しないと思う必要はありませんが、結果によっては費用負担やサービスの変更、終了などがあることを知っておいていただきたいと思います。

Designed by Freepik