幼い頃から障害者施設を利用している。それでも介護保険施設に入所できる?

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幼い頃から障害者施設を利用している。それでも介護保険施設に入所できる?

Q. 兄は子どものころから障害があり、障害者施設を利用しています。そんな兄は再来年で65歳になるのですが、今では父母ともになくなっており、私も結婚しているため兄を見ることができません。今後、介護保険を利用して兄が入所して暮らすことはできるのでしょうか。

A. 「共生型施設」という選択肢もあるのですが、まだ施設数も少ないため、障害者施設利用中に介護保険の申請を行っておくとよいでしょう。

現在では、身体障害者施策と介護保険制度とで同じようなサービスが提供されていたとしても、65歳以上となったからといって、同じようなサービスが受けられるとは限りません。例えば、施設サービスの場合、障害者施策の施設の目的と、介護保険の施設のサービスとは目的が大きく異なるため、障害者であっても、介護保険サービスを利用するためには、介護保険法でいう要介護(要支援)状態と認定される必要があります。

要介護(支援)状態と認定されるためには、要介護認定調査を受ける必要があります。要介護認定調査を受け、要介護(支援)状態と認定されることで、初めて介護保険サービスを利用することができます。ただし、たとえ要介護状態と認定されても、各介護施設の入所審査を受け、入所許可と認められなければ、入所することは困難です。特に長期型入所施設である特別養護老人保健施設の入所基準は原則要介護3以上となっているので、注意が必要です。

30年度の介護保険の改正で、「共生型施設」という介護保険制度利用者と障害者施策利用者が、同じ施設を利用できる施設ができるようになりましたが、まだまだ施設数が少なく、利用できる施設が限られてしまいます。ですので、障害者施設利用中の間に介護保険の申請を行い、認定調査を事前に受けておくことをお勧めします。障害者施設に入所中に介護保険サービスを受けることはできないですが、退所する前の間に、準備を行っておけば、直前に慌てることはないと思います。

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