Q. 糖尿病の悪化により、人工透析をしています。今まで1人暮らしをしていましたが、高齢になり1人での生活が心細くなったため、施設入所を考えています。人工透析をしていても施設に入所できますか？
A. 入所は可能ですが、通院手段や医療体制等の調整が必要なため、どうしても選択肢は狭まってしまうでしょう。
人工透析をしていると、週2～3回程度、透析を行っている医療機関に通う必要があるので、施設入所は通常よりも難しくなり、入所できる施設は限られてきます。まず、医療機関までの通院手段が課題となります。施設の近くの透析を行っている医療機関が送迎を行っていれば、それを利用することができるかもしれません。また、施設が送迎を行ってくれる場合もあります（有料の場合もあります）。医療機関や施設での送迎がない場合は、介護タクシーなどの移送サービスを利用することになります。この場合には、月に数万円程度の料金がかかることになります。
また、施設に病状管理ができる医療体制が整っていることが必要です。透析を行っている方は合併症などのリスクもありますので、医師や看護師が常駐しているなど医療体制が充実した施設でないと入所は難しいと考えられます。さらに、透析を行っている方は食事や水分摂取に制限がありますので、細やかに食事の調整・管理をしてくれる施設である必要があります。
これらの課題により入所できる施設は限られるものの、調整が付けば受け入れてくれる施設はあります。施設の数は限られますが、老人保健施設と同敷地内に透析クリニックがあり、入所しながら透析を受けることができる施設もあります。連携している医療機関で透析が受けられる特別養護老人ホームもあります。安心して透析を受けながら施設での生活を送れるように、実際に施設に問合わせて相談してみてください。