歩くのが極端に遅い場合、老人ホームや介護施設では車いすを使うことになる?

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歩くのが極端に遅い場合、老人ホームや介護施設では車いすを使うことになる?

Q. 父はパーキンソン病により歩行が小刻みで移動にとても時間がかかるのですが、施設に入所した後は車いすを使用することになるのでしょうか。

A. お父様のご状況によりますが、リハビリの観点から歩行を勧められることもあります。ご本人にとって何が最適か、職員に相談してみるとよいでしょう。

パーキンソン病のように、歩行に障害をきたすご病気になって介護施設を利用される方はとても多いです。歩くことが全くできなくなってしまう方もいれば、非常にゆっくりであったり、バランスを崩しやすくなる方もいらっしゃいます。

介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホーム、介護老人保健施設といった入所施設では、車いすの利用が想定されているところがほとんどです。トイレや居室といった設備は車いすで使用しやすい設計になっていますし、職員も車いすでの介護技術を持っています。必要に応じて施設で車いすを貸し出してくれるところも多く、歩いて移動するのが難しい場合には車いすを使用してもらうことは可能だと考えられます。

しかしながら施設では、リハビリテーションの観点からできるだけ歩いて移動するように勧めることがあります。介護施設でのリハビリは、リハビリの時間だけ歩行練習や運動をすれば良いというものではなく、生活の中でその方の残された能力をしっかりと使っていくことが大切だと考えられているからです。生活の中で常に車いすを使用していると、ゆっくりとでも歩くことができていたのが全く歩くことができなくなってしまうことがあります。そうならないために、普段から歩くことが大事になることがあります。

もちろん必要に応じて職員が付き添って介助を行い、転倒の危険がないように配慮してくれます。また、ご本人の体調に合わせて負担が強くなりすぎないように、適宜車いすを使ってもらう場合もあります。ご本人の負担とご病気の状態、また歩き続けたいと思っているのかどうか、といったことを踏まえて、どのように移動するのが適切なのか施設の方とよく相談してみてください。

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