ヘルパーさんに金銭管理を頼むことは可能?

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ヘルパーさんに金銭管理を頼むことは可能?

Q. 母の物忘れがひどくなり、「お金がない」などと、しばしば電話がかかってきます。離れて暮らしているので支援が難しいのですが、ヘルパーさんにお金の管理をお願いすることはできるのでしょうか。

A. 残念ですが、トラブル防止の観点から、金銭管理は訪問介護のサービス内容に含まれていません。日常生活自立支援事業や成年後見制度の利用を検討してみてください。

訪問介護サービスでは、身体介助や生活援助、通院時の介助等を必要に応じて依頼することができ、買い物の代行で一時的に金銭を預かる場合や生活費の引き出しのためにヘルパーに付き添ってもらうことは可能ですが、金銭管理はサービスに含まれていません。

本人にとって身近であり、信頼関係ができているヘルパーに金銭管理を依頼したいと言われる利用者や家族は多くおられますが、これはヘルパーの仕事の範囲外であり、業務規程違反に該当します。そのため、万が一のトラブルがあった際、ヘルパーは責任が取れず、本人や家族だけでなく、ヘルパーや事業所にも迷惑がかかりますので、依頼しないようにしましょう。

金銭管理のサービスであれば、「日常生活自立支援事業」や「成年後見制度」があります。どちらも認知症等で判断能力が不十分な方が利用できますが、認知症の程度や状態によって、使い分ける必要があります。

日常生活自立支援事業は、日常生活に必要な金銭の管理や福祉サービス利用時の手続き等を専門員がサポートする事業です。お住いの市町村の社会福祉協議会にて契約でき、費用面でも気軽に利用することができる事業です。

一方で、成年後見制度とは、日常生活に必要な金銭の管理以外にも福祉施設入所の契約や不動産関係等、法律行為を管理することができる制度です。手続きや費用面では、日常生活自立支援事業の方がかかる負担は少ないですが、できることは限られてくるため、どの程度のサポートが必要かによって、選択する必要があります。

まずは、専門外来等に受診し、認知症の症状がどの程度であるかを把握することから始めましょう。

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