実地指導の「新運用指針」に加えて、集団指導の内容も検討の必要あり?

更新日:
実地指導の「新運用指針」に加えて、集団指導の内容も検討の必要あり?

実地指導の標準化・効率化について新たな策定内容が通知

2019年5月30日の介護保険最新情報(Vol.730)において、「介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用指針について」の新たな策定内容が通知された。(*1)

(*1)介護保険最新情報(Vol.730)「介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用指針について」
https://report.joint-kaigo.com/_src/27785/vol730.pdf?v=1559346558263

これまで時間のかかっていた実地指導がこれで時間短縮される。準備する文書なども少なくなり、効率的になるとのことだ。

ただし、実地指導当日の確認する項目が少なくなっただけであり、普段記録している文書を減らすことには至らない。あくまでも、自治体別にバラバラであった実地指導のやり方を統一し、効率よく事業所の有効期間内に最低1回は実地指導を行うことが目的である。

以前よりも業務が短縮されることを願う

通知には、「標準確認項目」以外の項目は特段の事情がない限り行わない、「標準確認文書」以外の文書は原則求めないとあるが、詳細な確認が必要な場合は監査に切り替えるとある。その場で監査に切り替えるのか、後日になるのかは定かではないが、紐付されるその他の文書が必要なことには変わりない。現場職員には、あまり関係がなさそうだ。とにかくこれまで同様、普段から溜め込まずに文書を作成していくことが大切だ。

ただし、実地指導当日の時間が短縮されるのはありがたい。これまで1日がかりであったため他の業務に支障が出ていたが、2~3時間ほどで済むようになれば助かる。各自治体が、どこまで今回の通知通りに確認・指導を行うのかにもよるが、以前よりは短縮されると思いたい。

また通知のなかに、「過去の実地指導等において事業運営に特に問題がないと認められる事業所は、集団指導のみとすることなども検討」とある。集団指導のみであれば、各事業所から1~2名の職員が集団指導の行われる会場へ出向き、説明を聞いてくれば良いだけだ。しかし加算の種類が増え、介護報酬の改正などが頻回に行われている現状では、介護保険制度に熟知している者が参加しないと要領を得ないと考える。

集団指導も内容の簡略化が必要?

自身も集団指導に参加したことがあるが、とにかく説明が早くてメモを取る間もない。個人差があるが、全てを聞きもらさずにしようとすると、相当の集中力が必要だ。2名で参加したため、項目ごとに分担して説明を聞いたため何とか役目は果たせたが、正直また行きたいとは思わない。

それは集団指導の内容を事業所へ持ち帰り、各担当者へ説明を行い、自主点検を促すという仕事があるからだ。その後チェックを行い、指導内容に準ずるか確認もする。

実地指導の確認項目の標準化や効率化にあわせて、集団指導も分かりやすい内容に変更してもらえるとありがたい。自治体により、この集団指導も進め方などはバラバラであると思われるが、適宜質問ができるなどしてもらえると理解がより深まると考える。

Designed by Freepik