シャープが認知機能訓練を支援するサービスを開始〜利用者が事業所の機能訓練を選ぶ際はどうしたらいい?

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シャープが認知機能訓練を支援するサービスを開始〜利用者が事業所の機能訓練を選ぶ際はどうしたらいい?

認知機能訓練をトータルサポート シャープ、介護現場向け新ソリューション発表

シャープは17日、高齢者の認知機能訓練を支援する介護現場向けの新ソリューション「頭の健康管理サービス」の提供を8月1日から始めると発表した。施設やデイサービスなどへの導入を想定している。

高齢者のアセスメントや訓練計画の作成、日々のおすすめ訓練の提示、訓練結果の記録、集計、見える化まで、一連の業務プロセスを合理的・効率的にサポートする機能を持つ。

特徴は40V型の大きなタッチディスプレイ「BIG PAD」。ここに表示される項目にチェックを入れていけばアセスメントも完了する。高齢者が1人でも苦労なく使える設計を目指したという。

「介護スタッフの作業量を削減し、業務効率化に貢献する」。公式サイトではそうPRしている。

認知機能訓練はゲーム形式で20種類。本人の状態などに応じて、それぞれの目標達成に有効なゲームが自動で選択される仕組みだ。東北大学加齢医学研究所・所長の川島隆太教授が監修した。

認知機能訓練の結果・履歴は利用者ごとにクラウドで管理される。職員は推移や傾向などをブラウザで確認でき、周囲への的確な報告・情報共有やきめ細かいケアの実践につなげられる。

価格は年間約25万円からでオプションによって変動する。シャープの担当者は「デイサービスやデイケアなどを中心として早期に2800程度の施設・事業所へ導入していきたい」と話している。

https://report.joint-kaigo.com/article-11/pg687.html

シャープが認知機能訓練に使えるサービス開始

2019年7月17日に、シャープが介護施設支援ソリューション「頭の健康管理サービス」のサービス提供を開始した。(*1)

(*1)介護施設支援ソリューション「頭の健康管理サービス」
https://jp.sharp/business/solution/atama-kenko/?_ga=2.2081846.680067119.1563614991-795358288.1563614991

これは、認知機能訓練をゲームでトレーニングできる、介護施設向けのソリューションである。オプションを付けると、アセスメントや訓練計画作成など、生活機能訓練に関わる業務を支援してくれるとのことだ。介護業界が抱えている人手不足などの問題を解決してくれるITシステムが、今後も次々に開発され提供・導入されていくことに期待したい。

さて、多くの介護施設では介護予防のための取組みを実施している。そこで今回は、施設でどのような機能訓練が主に実施されているのか、目的別に紹介したい。

施設でよく行われている機能訓練とは?

身体機能の訓練では、必ずと言っていいくらい体操が行われている。ラジオ体操や施設が考案したオリジナルの体操などだ。入所施設では体操を決まった時間に行うことで、生活リズムを整えることも目的としている。

心肺機能や筋力の維持・向上には、リハビリマシンなどの機器やボールやバランスマットなどの道具を利用している施設もある。マシンでは利用者一人ひとりに合う負荷を設定し、道具は目的に合わせて使用するため、無理なく行えるように配慮されているのが特徴だ。

また、リハビリの専門職を配置して個別プログラムを実施している施設もある。これは利用者の残存機能を活かした動作を指導してもらえるため効果的だと言える。

次に認知機能の訓練であるが、こちらは手作業や脳トレプリント、音楽療法、園芸療法といったプログラムになる。ほどんどの施設では、レクリエーションや趣味活動、外出などのアクティビティを認知機能訓練として行うスタイルだ。その種類は多岐に渡り、他者との交流を図りながら飽きずに楽しんでできるというメリットがある。

また生活リハビリというのもある。これは、日常生活のなかの動作を機能訓練として捉えるプログラムだ。

ベッドから一人で起き上がる、トイレに行くまでの距離を歩く、自分で着替えをするなど初めは職員の手を借りながら行い、少しずつ一人でできることを増やしていく。この生活リハビリも、達成感を味わえて自信に繋がるため有効であると考える。

利用者は自分の状況に適した施設選択を

施設により介護予防の機能訓練の内容はさまざまであるが、施設利用を考える際には利用者の状態に合ったプログラムが実施されているかも検討材料にいれることをおすすめする。身体機能と心肺機能の維持向上を目的とするなら機能訓練室のある施設、認知症の進行予防が目的ならアクティビティの盛んな施設、在宅生活を維持していくことが目的であれば、生活リハビリに取り組んでいる施設が最適である。

さらに、本格的にリハビリ職員の指導を受けて、身体機能・認知機能・日常生活動作の訓練を行いたい場合は、リハビリ施設である介護老人保健施設を選ぶのがよいと思われる。

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